先日 Googleからリリースされ、クローズドベータサービスが展開されている「Inbox」。
筆者も早速使い始めたものの、あまりの違和感に一度は Gmailに戻ってしまいました。ただ、「今までのメールの概念をぶちこわすしかない」と覚悟を決めて戻り、1週間ほど使い込んでみました。
これまで、メールソフトはもちろん Gmailを Webブラウザで使っていたユーザーにとっても、あまりの変化に一度脳みそをリセットしないと付き合いきれない感じのプロダクトです。
筆者のここまでの試行錯誤を記録しておきます。参考になるところがあれば。
電子メールと思うなかれ、メールを使ったタスク管理
Inboxは、これまでの「メールソフト」とは概念がまったく異なります。どちらかというと「タスク管理」に近いといえます。電子メールというしくみを使って、自動的にタスクが入り込むツールだと思って付き合うと良いでしょう。
Inbox zeroを目指すが、「その日じゅう」ではない
電子メールの整理法の1つに、Inbox zeroというものがあります。これは、受信箱のメールをすべてなんらか処理をして、受信箱の中身を空にしましょうというもの。
筆者はこれまで、Gmailを Webブラウザから利用していたため、メールを毎朝処理し、なにかタスクが必要なものは「スター」を付け、その他はラベルを付けたり削除をしたりして、Inbox zeroを実践していました。
しかし、Inboxにはまず「スター」がありません。似た機能に「Pin」はありますが、これは付けてしまうと受信箱から消えません。
困ったなと思っていたのですが、どうやらこれは「ゆったり Inbox zeroを目指す」という方針のサービスなのだろうと考えました。
Pinと Snoozeの活用
各メールには、Pinと Snooze(スヌーズ:思い出し)を設定することができます。これはそれぞれ、次のように活用しています。
- 処理が必要なもの → Pin
- 打合せの日程など、その日に思い出すべき事 → Snooze
Snoozeを設定すると、一度受信箱から消しても設定した日時に受信箱に戻ってきます。また、Pinや Snoozeは付けると Reminderというメモを残すことができるので、ここにタスクの内容を書き込みます。
(ただし、現状日本語の処理にバグがあるようで、一文字目が入りません・・)
また、Reminderは別途追加をする事もでき、追加すると自分宛てのメールのように受信箱に表示されます。
分類ごとで役割を決める
Inboxには、次のような分類があります。これは、Gmailにもあったもの。
- Purchases
- Social
- Updates
- Forums
- Promos
この他、Travelなどもありますが、筆者は使っていません。
この分類は、種類ごとにいつ受信するかを決めることができます。
- As messages arrive(即時)
- Once a day(1日1回)
- Once a week(週に1回)
この分類をどのように利用するかをまずは決める必要があります。当初、筆者は単純にそれっぽい分類に分類していたのですが、これではまったく使い物になりませんでした。
そこで、「メールのルール」にしたがって分類するようにしました。
- 永久保存(購入履歴など) → Purchases
- 即時に受信し、保存しておくもの → Social(Facebookメッセージなど)
- 即時に受信し、削除するもの → Updates(Backlogの通知メールなど)
- 1日1回受信し、削除するもの → Promos
としました。また、個人からのメールについてはどこにも属させません。こうすることで、メッセージがひとまとめになるため、ざっと読んで一気に処理することができます。
Gmailから移行しての違和感の解消
Gmailから移行した場合、先の通りスターがないことの他、次のような違和感があります。
j, kで次々に読めない
Gmailは、j, kキーで次々にメールを移動できたのですが、Inboxは Bundleという分類毎でしか移動できません。Bundleは Escキーで閉じることができ、次のメールに移動できます。そのため、次のようにしてメールを読むことにしました。
Bundleに来たら Enterキー
カーソルキーの左右でメールを上下して、読みたいメールで Enter
Bundleを読み終わったら Escキー
カーソルの右で次のメールまたは Bundleへ
スターがない
これは上記の通り、Pinか Snoozeで対応します
ファイル添付がやりにくい
各メールの下についている、返信エリアにはドラッグドロップによるファイルの添付ができません。(これはバグというか未実装なだけな気もしますが・・)
そんな場合は、ポップアップボタンをクリックしてからファイルを添付します。
PCだと使いにくい
全体的に、PC(Webブラウザ)では使いにくい印象です。逆に、スマートデバイスで使う場合は右にスワイプでアーカイブ(Done)ができるなど、操作しやすくスマートデバイスでの利用にシフトしてきているのかなと言う印象です。
まとめ:メール中心のワークフローへ
Inboxは、こうして分類や Pin、Snoozeをしながらメールを1つのタスクのように管理し、Inbox zeroを目指していくタスク管理ツールだと認識しました。
また、スマートデバイスの活用をより推進している感じで、段々 Webブラウザアプリの方の開発がおざなりになっていくのかな? という印象を受けました。
まだまだ使い方の途上なので、またなにか発見したら投稿します。
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