Cloud 9や、CodeAnywhareなど、クラウド開発ツールが活況ですが、IT業界向けの人材ビジネスなどを展開する「paiza」が開発する、国産のクラウド開発ツールが登場しました。
無料版は、1つの仮想環境
料金プランは、無料版からあり、WordPressやRubyなどの環境を1つ作成することができます。作った環境は、24時間後に消滅します。
ファイル管理やエディタ、ブラウザーやターミナルなど、開発に必要な環境が揃っていて、特徴的なのは最近では珍しい、「仮想ウィンドウ」方式で展開します。ウィンドウの大きさを変更したり、重ねたりすることができます。
本格的な開発をするときは、少し面倒に感じそうですが、「学習」をメインに据えているため、デスクトップ上で作業するのと同じような操作性を優先させたのでしょう。
素のLinuxで、Linuxにも慣れる構造?
WordPressの環境を作ってみて、少し違和感は持ったのは、最初に表示されるいわゆるホームディレクトリーには、なにもファイルがないこと。しかし、Webブラウザーでアクセスすれば、WordPressは表示されます。
これは、ドキュメントルートが「/var/www/html/」フォルダにセットアップされているため。Cloud 9などのクラウド開発ツールの場合は、ホームディレクトリにセットアップされて、ドキュメントルートが適切に書き換えられるの大して、PaizaCloudは素の Linuxにそのままファイル群をセットアップした感じで、Linuxの初心者にはかなり戸惑いそうです。とはいえ、これも「学習用」と考えると、その後 AWSや Azureでサーバー構築をするときの役にも立ちそうなので、意図的であれば納得。
ただし、本格的な開発ツールとして使うときは、ちょっと面倒そうですね。
価格的には若干高め
価格体系としては、1つの仮想環境を作れるプランが無償。3つで980円。これに加えて、公開サーバーとして利用できる「常時起動サーバー」が1台 1,000円となります。常時起動サーバーの価格はありとして、サーバー3台で980円というのはちょっと割高なイメージ。また、1,980円のプランでも構築できるサーバー台数は変わらず3台です。
やはり、本格的な開発ツールとして利用するというよりは、学校などの学習ツールとしての利用を想定していそうですね。とはいえ、せっかくのツールなので、デベロッパー向けに広く使える料金プランがあるとなお良さそうに思いました。
いずれにしても、国産のクラウド開発ツールという事で、これからも応援していきたいと思っています。