ChatGPTの有料版に、新しい機能としてCode Interpreterが搭載されました。
インタープリターとは、通訳者といった意味の英語ですが、プログラミングの世界ではよく利用される言葉で、その場でプログラムを実行するしくみのことを指します。
私は、ChatGPTについては一時期課金をしていたのですが、その後課金を停止していました。が、ここで再び課金を開始しました。なぜ、このような経緯に至ったかについて、ChatGPTの期待と失望の合わせて紹介しましょう。
それほど大したことのなかったChatGPT
Code Interpreter以前から、メディアをはじめとして話題となっていたChatGPT。しかし、私自身は実はそこまで感動をしていませんでした。
というのは、ChatGPTは嘘ばっかりつくため。といっても、それは当たり前でChatGPTは発言が、事実かどうかの裏どりをしているわけではなく、受け取った言葉に対する返答として、それまでの学習の中から最も適したもの、それらしいものを繋いで返答をしているだけで、ありがちは返答はするものの、それが正しいかどうかは誰も保証できないというものでした。
壊滅的なのが、計算式に対する答えで、当然内部で計算をして返答をしているわけではないため、全く正しくない解答を返すということも度々でした。
もちろん私は、そういったこと自体に失望をして課金をやめたわけではなく、そのような信頼性の低い回答だと使い所がないなということで、Google検索などの方が早くて確実だったので、そちらを選んだという感じでした。
Code Interpreterのソースを見せるという手法
Code Interpreterが登場し、試しにもう一回課金をして使ってみました。すると、ChatGPTへの評価が180度代わり、一気に信頼性を増しました。というのは、Code Interpreterは背後でPythonのプログラムが動作できるようになったのですが、その返答の際に実際に生成して動作させたプログラムコードを提示してくれるのです。
例えば、計算式を与えた場合も、答えが返ってくるだけだと、どのような計算によってそれが得られたのかがわからず、正しいのかどうかは結局自分でも計算をしてみるしか方法がありませんでした。しかし、Code Interpreterの場合はどのようなソースコードが生成されたのかがわかるため、プログラムが多少読めるようであれば、そのソースコードにバグが含まれていないかをチェックすることができます。これによって、信頼性を自分自身で確認できるのです。
これは、プログラムを知っている人ほど、自分で作る手間がない上に、信頼できるかをチェックすることができ、非常に役立つツールに生まれ変わりました。
Code Interpreterでできること
Code Interpreterでは、Pythonで作ることができるプログラムの内容であれば、大抵のものは動作させることができます。またいくつかのライブラリなども組み込まれているため、例えば画像を生成するとか、画像を加工するとか、Powerpointデータを生成するといったことも可能です。
実際、Twitterやメディアサイトでも、さまざまな事例が紹介されています。筆者も、CSVデータを渡して円グラフを作成してもらったり、言葉で説明して計算をしてもらったりなど、いくつかのパターンを試しましたが、いずれも正しい結果を得ることができました。
まだ、実用で使う場面はありませんが、これなら信頼して使うことができそうです。
プロンプトエンジニアにもプログラミング力が必要に?
さて、このようにAIがプログラムを動作させることができるようになると、いわゆる「プロンプトエンジニア」と呼ばれる、生成AIを操作するエンジニアにもプログラミング力が必要になってくるでしょう。Pythonのプログラムを読み解く力が必要なのはもちろん、どのような言葉を投げかければ、どのようなコードが生成されるのかを予測しながら、言葉を組み立てなければなりません。
これは本来、プログラマーに対して開発の指示を与えるSEとかの仕事でした。SEの相手が人間のプログラマーではなく、AIに変わっていくということを意味します。
ただし、難しいのが従来はSEはプログラマーを経て、プログラミングの知識を設計の知識などを身につけてなる職種でした。しかし、その前提となるプログラマーをAIが担ってしまうと、SEになるための基礎を学ぶ場がなくなってしまいます。
その中でプログラミングの力を身につけて、SE的な知識を身につけるというのはなかなか大変そうです。